過去のプロジェクト

ベニクラゲproject第1弾!
2020年1月 舞台『極めて家庭的に』

2020年1月 ベニクラゲproject旗揚げ公演
『極めて家庭的に ―木村好子の詩集より』
(作:秋元松代 演出:坪井彰宏)

詩人・木村好子の詩集『極めて家庭的に』(1959年)を元に、1961年7月にNHK第二放送「芸術劇場」で放送されたラジオドラマを舞台化。『近松心中物語』などで知られる戦後を代表する劇作家・秋元松代が、「作品の潔癖さと純真な詩心」に感動し、前例にないほど「何か目に見えない力に押されて」短い時間に書き上げた、上演時間約1時間の作品です。舞台は、妻が入院する病室。夫の薦めで詩集の出版を決意する妻だが、創作と編集が進むのと同時に病気も進行し・・・。家庭だけを生きる場所としたひとりの主婦が、病の床にあって詩作に喜びを見いだし表現される情感を、妻(好子)、夫、婦長、詩(7名の語り手)で描きます。

期間:2020/01/22 (水)~2020/01/26 (日)

タイムテーブル:
1月22日(水)19:00(A)
1月23日(木)14:00(B)
1月24日(金)14:00(A)
1月25日(土)13:00(B)/17:00(A)
1月26日(日)14:00(B)

劇場:すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO

出演:≪一部Wキャスト≫
徳田とも子(A:妻)
栗山  梢(B:妻)
中島ひろみ(A:婦長 B:詩)
今中 陽子(A:詩 B:婦長)
美影 ふじ(AB:詩)
羽田智香子(AB:詩)
永井ふく子(AB:詩)
白小鳩ひめの(AB:詩)
加藤由美子(AB:詩)
青柳 薫奈(AB:詩)
武岡淳一(特別出演)(AB:夫)

スタッフ:作/秋元松代 演出/坪井彰宏 美術/稲田美智子 照明/阿部典夫(A PROJECT) 音響/小峰貴浩(中央舞台サービス) 大道具/C-COM 小道具/高津装飾美術 宣伝美術/隆俊作(FRENGE) 制作/松田絵麻 主催/ベニクラゲproject

料金:3,000円 ~ 3,000円

発売日:2019/12/03 (火)

※全席自由・日時指定制
※未就学児の入場不可
※当日受付は開演の1時間前、開場は30分前

ご観劇いただいた方の感想
(フェイスブック投稿より全文掲載)

「極めて家庭的に」観てきました。
不老不死のベニクラゲの名を冠した新しい表現集団、ベニクラゲprojectの旗揚げ公演です。
秋元松代のラジオドラマを舞台化した作品で、繊細な水彩画のような、それでいて奥底には炎がゆらめいているような、ある夫婦の物語。
夫婦と病院の婦長(この言葉も今は死語)の対話に加え、妻=好子の綴った詩の言葉が効果的に織り込まれる構成です。
婦人科の病をわずらい、退院して家に帰ることを半ば諦めた妻。
病床でもなお、夫が慣れぬ家事に四苦八苦しているのではないか、などと案じている。
見舞いに来た夫は、妻に長年書き溜めた詩稿を一冊の本にしては、と提案する。
それは結婚以来自らを「詩を書く人」というよりも「家庭の奥さん」だと認識してきた妻にとって、意外だけれど心躍る申し出。
けれど作品の推敲を始め、改めて創作の喜びをかみしめる間にも妻の病状は進む。
子どもはおらず、夫婦は二人きりの生活の中でお互いを丁寧にいたわり合ってきたはずだった。
でも、妻の病と死の予感は心のうちにひそんでいた激情をも呼び起こす…
今より少し前、「静かな演劇」がなんとなくトレンド化した時期があったように思うのですが、それよりはるかに早い(1961年)、けれど決して古くない佳品です。
秋元松代センセイは「近松心中物語」があまりにも有名で、最近も上演された「常陸坊海尊」などスケール感のある作品を生み出す人というイメージだったけど、こういうこじんまりしたものもお書きになったのだなあ、としみじみ。
女性の詩人と夫、といっても「山ほととぎす欲しいまま」のようなスター性のある華やかな女性ではないので、より観客に自分自身の過ぎ越し方や行く末を思わせるものになっていました。
役者さんの演技も実直かつ端正で、ドキュメンタリーを見ていると錯覚しそうなリアルさがありました。
でも、本当の「生世話もの」ってこういう作品なのかもしれませんね?
すみだパークスタジオ倉 で26日まで。

(MRさん)

極めて上質な友達芝居を錦糸町すみだパークスタジオで拝見。ベニクラゲproject「極めて家庭的に」。秋元松代先生の傑作。26まで演ってるのでよろしければ。すみだパークスタジオは扉座に出入りしてた時からの縁だが、油まみれの工場の倉庫街を劇場空間に換えてしまったって事で、できた当時は腰を抜かしたもんだが、下町の古びた倉庫街がオシャレなカフェやアートの街に立て続けに生まれ変わってるのを見ると、今我輩がお世話になってる劇団O2Kの稽古場のある船堀もまさに町工場の街で、この寂れた街を根こそぎ生まれ変わらせたくってたまらない。声かけたら絶対乗ってくると思うんだがなあ。)

(KHさん)

「極めて家庭的に」観劇。
秋元松代の端正な脚本と演者の生み出す丁寧な空間、時間。
女性として人生に多くの選択肢を持てるようになった現代で、またひとつ自分の生き方在り方をあらためて問う作品でした。)

(MNさん)

【号泣】
涙とともに癒された感じ。ふう。
昨年。大学時代の同級生(演劇)が自分の求めるエンターテイメントを目指して独立。今日からプロジェクトの旗揚げ公演。行ってまいりました^ ^
なんちうか。
数日前に読み返した内村鑑三の『後世への最大遺物』を思い出していました。市井の人々の「勇しく高尚なる生涯」ってこういうことなんだろうと。
えまの感性にリスペクトです。そして触発されています。ありがとうございました。
あまりに泣き過ぎ de 車で行ってよかったよ。サングラスなしでは電車には乗れん(~_~;)
全く同じ日程で、別の同級生も下北で芝居うってる。行きたいなぁ。)

(ISさん)